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以上とする。
実績を表5.31に示す。
(2)甲板縦通材
甲板縦適材は横置ビームに固定されたものとして、耐力に対する安全率を1.5とする。したがって、甲板縦適材の断面係数Zは
Z=1250P2sl2/σy(cm3
S:甲板縦通材の心距(m)
l:甲板縦通材のスパン(m)
実績を表5.32に示す。設計が要求値に対し10倍以上となるものがかなり多い。
人員が乗ったときのたわみ比は、板の部分よりかなり小さくおさえないと安心感が持てないが、スパンが1mの場合、たわみ比1/1000におさえるために必要なIは5.13?p4であって、3mm甲板に30球平形材を溶接すればI=5.99cm4となるので、どの場合でも心配はない。
表5.32に見るように、大型船でも水圧計算で要求される断面係数は1.5cm3前後であり、これは3mm甲板に30球平形材を溶接して十分にカバーでき、船の大小にほとんど無関係といってよい。
縦強度メンバーとして甲板を考えたとき、当然大型の船にはそれに相当した甲板構造を考えなければならない。
甲板縦通材+有効幅の甲板の断面積Aを考える。甲板の船体断面係数に対する貢献度をA×B/s×Dで表し、縦曲げモーメントをWLで表す。表5.33、図5.12にその間の関係を示す。小型船の実績は過大になるので、小型3隻については3mm板+30BPとしたものを・(黒丸)で示した。
下限は(WL)0.85と見ることができる。これは甲板構造設計の目安となる。
(3)甲板横置ビーム
甲板横置ビームは甲板構造及び甲板上の荷重を支え、船体に伝える役割を持つと共に、船体上端の構造部材として船体の形状を保つ役割を持つ。
甲板横置ビームの計算は、ビーム心胆椙当の甲板荷重P2を受ける梁が舷端で支持されているものとし、耐力に対し安全率1.5とする。ビームを有効に支持する甲板下縦桁があるときは縦桁と舷側で支持するものとして計算する。したがって、断面係数Zは
Z=1875P2sl2/σy(cm3
S:甲板横置ビーム心距(m)
l:舷側から舷側までの距離(m)
ただし、有効に支持する甲板下縦桁があるときは、舷側から甲板下縦桁までの
距離と縦桁相互間の距離のいずれか大きい方とする。
舷端における断面係数は船側横置肋骨上端に要求されるZまで減ずることができる。

 

 

 

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